こんにちは共月堂です。
 今日はちょっと海外の話題を紹介したいと思います。先日、院で患者さんとお話をしていた時に話題になった事で、昨今のアメリカの鍼灸の事情というのが有りました。そんな話です。
http://www.acupuncturetoday.com/mpacms/at/article.php?id=31983
 ご存知、オバマ大統領に鍼灸を含む補完代替医療に関しての質問が行われ、それに対しての返答が掲載された記事になります。補完代替医療という言葉は色々と問題を含んでいるとは思いますが、その立ち位置として「先端医療を補助する所謂西洋医学とは異なる医療」という性質を、かさむ一方の医療費支出の軽減策として利用しようという考え方が、アメリカなどの補完代替医療(CAM:Complementary and Alternative Medicine)の考え方と言われています。
 実際、鍼灸などの考え方の一つに未病治(あるいは治未病)という考え方が有り、病気になる前の症状にアプローチするという、予防的な視点が有ります。入院や手術を必要とするまで悪化する前に、体調を整え、免疫系を活発化させることで対応しようと言う発想です。
 これは東洋医学の歴史と密接に関係する思想ですね。
 東洋医学が産まれた頃の人間に取って、病気と言う物はつまり死の可能性「そのもの」でした。もう症状が出てしまったら手の施し用が無かったという実情があるわけです。ですから何より病気にならない体を欲していた。それが予防を重要視した技術の開発に結びついたのでしょう。
 もし、この病気にならない体を作るという発想をもった補完代替医療が有効に機能すれば、それは病気の減少を実現出来るかもしれませんし、実際、健康意識の高い人の病気の罹患率が低いという統計を見る限り、実現可能な事だと考えられています。ソレは同時に医療費支出の削減を意味する訳です。
 現政権の大統領は、この補完代替医療を有効に活用したいと言っている訳ですね。
 ですが、実情としては前政権与党がすすめた代替医療への支出カットは今も大きな影響を残しています。たとえば、カルフォルニア州では大きく予算が削減されてしまったようです。
http://www.acupuncturetoday.com/mpacms/at/article.php?id=31674
http://www.acupuncturetoday.com/mpacms/at/article.php?id=31914
 これは極端な例なのかもしれません。同時期にミシシッピ州では鍼灸を医療と認め認可する法律が制定されました。
http://www.acupuncture.com/newsletters/m_may09/mississippi%20acupuncture%20act.htm
 これは、鍼灸を含む補完代替医療の重要性は決して劣化した訳ではないんだと言うことだろうと私は考えます。予算の削減がすなわち、その対象の価値を損なう物ではないと思うのです。だいぶん独りよがりな感想かもしれませんが。
 
 私は、日本も、もう少し政治で鍼灸が語られれば良いなあと思います。
 
 なんだか難しい話になりましたので、気分転換に今朝撮って来た写真でもみて和んで下さい。ではでは。