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こんにちは共月堂です。
今日は朝に少し残念な事が有って少々落ち込んでおりましたが、いつまでも落ち込んでいても仕方が無い!今回は縁がなくても次が有るさ!と心機一転、気を取り直して日記を書いております。
今日は海外の論文を紹介します。
The Acupuncture on Hot Flushes Among Menopausal Women (ACUFLASH) study, a randomized controlled trial.
おなじみのPubMedからの紹介です。簡単に訳すとすれば「更年期障害による火照り感にたいする鍼灸治療の無作為化比較試験」とでもなるのでしょうか。結論だけを先に書いてしまうと、n=134のRCTで、鍼治療を行った場合は他に比べて火照り感の改善が見られるとなります。nというのは試験を行った協力者の人数と考えてもらっていいと思います。このような人数の協力者が得られる海外の鍼灸事情が非常に羨ましく思います。
火照りといった体温の亢進は主に自律神経が関与しているとされます。文中にあるcalcitonin gene-related peptideはカルシトニン関連遺伝子ペプチドと呼ばれ、この物質は神経の末端から放出される事が知られ、このペプチドの他にも同様に神経から放出されるサブスタンスPといったものは偏頭痛に関与する事が知られています。
鍼灸は自律神経にアプローチすることが一定レベルで可能だとされています。私の恩師の恩師に当たる方で、その事を専門的に研究されている方が居ました。
- 作者: A. Sato,Y. Sato,R.F. Schmidt,山口眞二郎
- 出版社/メーカー: シュプリンガー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2007/10/08
- メディア: 単行本
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この本の題名に有るように、体からの刺激によって自律神経の反射を起こす事が可能です。この流れを体性-自律神経(内臓)反射と言います。反射というと、膝頭をポン!と叩くと足が跳ね上がる一連を連想されるでしょう。あれも反射の一つです。あのような外部からの刺激によって体を反応させることを反射だと考えてもらうと簡単かもしれません。同様に、体の外部からの刺激で体の内部の運動調節をさせるという発想が鍼灸治療だと言えましょう。
一つ、簡単な体性-自律神経反射を紹介しましょう。
身近な物というと、咽頭反射が良いかな? 例えば指を喉の奥に思いっきり突っ込んでみて下さい。もちろん、猛烈に吐きそうになる訳ですが、この「吐きそう」になるのは食道が開き、胃が収縮するからです。これらの内臓は意識のコントロールで動かすのはほぼ無理な場所です。意識のコントロール外の神経を自律神経と言いますが、食道や胃は迷走神経という脳神経の自律神経支配になります。つまり、体の外からの物理的な刺激により、自律神経がコントロールされた反射であると言えます。
難しい話はこの辺りで。
鍼灸は奥が深いなあと思います。そして、勉強すればするほど、私は私の不勉強を思い知らされます。