こんにちは共月堂です。
 鍼灸と言う医療は、伝統医療と呼ばれる事も多い古い形態を持つ技術ではありますが、そうは言っても鍼灸もまた、現代の技術を積極的に取り込もうとしている姿勢も大きく有ります。今日はそんな話を少しだけ。
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 先ほど、こんなものを見つけました。
 コレは私の経験ですが、私の出身校では一年生の時に経穴のすべてを覚えました。コレはとても大変だった記憶が有ります。それは覚えなければならない経穴の数が約380個有ったからです。詳細に書きますと正経が十二経。肺経が11穴、大腸経が20穴、胃経が45穴、脾経が21穴、心経が9穴、小腸経が19穴、膀胱経が63穴、腎経が27穴、心包経が9穴、三焦経が23穴、胆経が43穴に肝経が43穴で、合計333穴。コレに督脈と任脈が加わり、それぞれが27穴と24穴で384穴となります。更に奇穴と、中国式取穴などを加えると400以上。
 一年生のときは、この経穴全てに解剖学と生理学という暗記科目があったこともあり、とにかく一日中、使える全ての時間を勉強に費やしました。
 暗記をするということは、記憶をするということ。それも、何時でも使えるように強く記憶する必要が有ります。記憶には短期間だけの記憶と長期間の記憶という分類が有りますが、経穴を覚えるということは、長期間の記憶として覚える必要が有り、その為にはとにかく、あらゆる方法を使って脳に放り込まなければならないわけです。ですので、何度も何度も、全ての経穴の場所と内容をノートに書き取り、単語帳を作って通学途中の電車の中で読みました。
 ですが、最近ではiPhoneのアプリで経穴カードが有るのですね。
 手を使って書くという行動による脳への刺激という、一つのプロセスが失われてしまう分、暗記をするという目的からは一歩後退してしまいそうな気もしますが、全てを覚えてしまった人が、その長期記憶を補強し続ける為に使うという目的としては、非常に興味深いなあと思います。
 私自身が、iPhoneを持っていないので、どのような機能が有るのか良く解りませんが、もしiPodでも問題なく動くのであれば、入手してみたいなあと思いました。
 コレからも、鍼灸が新しい技術と仲良く共存して行けると良いなあと思っています。