こんにちは共月堂です。

 今日は吸角、抜罐、つまりは吸い玉を紹介します。
 これは中の空気を抜く事で肌に密着させて使います。真空状態にする事で吸い上げられた皮膚が充血することで、その周囲の血行を良くする効果があります。東洋医学の視点から見ると、皮膚の表層に有る衛気を集め、それによって気虚が原因である疼痛に対応する施術です。
 他にも刺絡に使います。どちらにせよ疼痛対策の道具になります。
 古くは竹で作られていたそうです。カップ状に加工した竹を使っていたそうで、使用するときはカップの内側を火であぶり、それから肌に被せるという方法をとっていたのだそうです。その頃の名称は抜罐と言われていて、今もその名称は鍼灸師には馴染みの深いものになっています。罐は、つまり缶。缶の内側の空気を抜くことで使用する道具から抜罐です。
 写真の吸角はガラス製で、上部にバルブを装着して使います。このバルブに手動ポンプを繋げて空気を抜いて使うのです。このポンプには電動のものも有りますが、手動のほうが微妙な力加減が出来るので私は手動を愛用していますね。他にもゴム製の簡単な吸角も有り、それは抜罐の手技の種類と一緒に、後日紹介しましょう。
 比較的簡単な方法で、それでいて効果が高いので自宅で行う人も多いようです。韓国などでは民間療法の一つとして、割と広く使われていると聞きました。私もゴム製吸角は自宅で使うのには充分だと思っています。