こんにちは共月堂です。

 今日は鉗子を紹介。
 これは余り使いません。ある部分で趣味の要素が非常に強い備品ですね。私は以前、中国の大学病院に研修に行っていたのですが、そちらでは消毒の際に鉗子で綿花をつまんで消毒していました。これは、消毒液を入れる容器がハンドラップではなく普通の瓶だった為、瓶から消毒液を垂らすより、鉗子で綿花をつまんで瓶に差し込んだ方が衛生的だったのです。
 そんな習慣を見ていたのですが、実際、私はハンドラップを使った方が楽なので「ああ、そういうものなのか」と思うに留まっていました。
 それからしばらくして、ベトナムに行く機会がありました。半日ほど時間が取れたのでホーチミンの街をブラブラ散策していた時、行商のおばさんが、何故か医療用具を販売していまして。ふとみると鉗子が。交渉してみたら破格で入手出来たので、おもわず二つ買ってしまったという経緯が有ります。
 院での施術方法に抜罐(ばっかん)、あるいは吸い玉というものが有ります。後日紹介したいと思いますが、今ではポンプで空気を抜いていますが、以前は火を使っていました。その火をつける時、アルコールで濡らした綿花を鉗子でつまみ、それに火をつけるという使い方もしていましたが、それも過去の事。
 今では、院の鉗子は昔の名残の一つとして静かに次の出番を待っています。