こんにちは共月堂です。
 今日は経絡と病気の話の続きでも、少しだけ。

 経絡は東洋医学の観念の一つで、病気という物は、この経絡の流れを損なう状態であると考えられています。この経絡というものは正経と呼ばれるものが十二本、奇経と呼ばれるものが八本あります。今日は正経に関して少しだけ。
 上の絵は、体の正面からみえる経絡が書かれています。これは鍼灸大成という本に書かれた物で、1600年代初頭に成立した本です。少々癖の有る図で、専門的なものなので見難いかもしれませんが、おおまかに経絡というものが体全体を走行している様子が見て取れますね。この走行のことを専門的には流注(るちゅう)と呼びます。
 さて、経絡という走行路は、この図のように体の表面だけでは有りません。体の中を走行するルート、体内流注というものもあり、その体内流注は臓腑と連絡をしているものも有ります。
 「臓腑と連絡して体の中を走行し、それが経穴から体表にでてきて体の表面を走行し、やがて経絡から再度体内にもどる」という経脈を特別に正経といい、それが十二本有る事から、十二正経と呼んでいます。
 厳密に定義するならば、経穴というものは「経絡上に有るポイント」であり、それ以外は経穴ではなく、たんに「つぼ」でしか有りません。経穴とツボの大きな違いは、ここにあります。
 では簡単に十二正経を紹介してみましょう。
 手太陰肺経→手陽明大腸経→足陽明胃経→足太陰脾経→手少陰心経→手太陽小腸経→足太陽膀胱経→足少陰腎経→手厥陰心包経→手少陽三焦経→足厥陰肝経→足少陽胆経→最初に戻って手太陰肺経という順で存在します。
 陰と陽が交互になっていること、臓と腑も交互になっている事などが特徴ですね。