こんにちは共月堂です。
 今日は弁証という物を少しだけ。
 
 東洋医学もシステマティックな考え方をする部分が多分に有り、とくに症状から施術方針を決定する一連の一つに弁証(べんしょう)と呼ばれるものが有ります。体の様子から、その原因と考えられる病因を明らかにして、処理をする為に経穴を選ぶという一連だと考えてもらうと簡単かもしれません。
 この弁証にも幾つかの種類が有り、これらは場合によって使い分けるのが通常です。
 鍼灸で比較的良く使われる弁証には、気血津液弁証、八綱弁証、臓腑弁証などがあります。今日はそんな弁証の中の一つである六経弁証というものを簡単に。
 この六経弁証(りくけいべんしょう)は中国は漢代の医師であった張仲景が「傷寒論」という本で提示した弁証方法とされています。この傷寒論という書物は日本語訳にされた物がありますし、漢方等を学んでいらっしゃる方に取って非常に重要な書物と位置づけられている事で有名です。 

中国傷寒論解説

中国傷寒論解説

 専門的に言ってしまうと、八綱弁証によって病状を外感であると判断された場合に、その先にある弁証の一つというものだと言えましょう。漢の時代のころ傷寒という病気が流行し、その治療に様々な方法が試みられた集大成が傷寒論だと言われています。この傷寒という病気、どうやら現代で言う風邪やインフルエンザに近い物だったようで、現在では傷寒論で展開された六経弁証は、風邪やインフルエンザに応用されています。
 さて、この六経弁証という名称に有る「六経」、六つの経、つまり経絡も意味しています。
 ここで経絡と、風邪がリンクするのです。