こんにちは共月堂です。
 明日の四日と来週の水曜日の八日が臨時休診となります。皆様にはご迷惑をおかけいたします。

 
 今日も少し湿の話を。話の内容は東洋医学のお話しになります。東洋医学と西洋医学では同じ単語も異なる意味を持ち、異なる事を示します。ですので、東洋医学のお話と西洋医学のお話では出てくる単語が同じでも、全く別物として考える事をお薦めします。たとえば、今日の話にでてくる津液。西洋医学でいうところの間質液を連想しがちですが、全く別の物です。東洋医学に出てくる単語の大半は観念でしかないと考えると簡単ではないか?と個人的には思っています。
 
 前は湿で脾が傷つけられてしまうという話でしたが、今日は湿が直接体に影響する場合の話を少しだけ。
 湿は体の外から来る場合と、体の中の津液が変質したものが停滞する場合があります。気候が多湿になると、体の中の水も多くなりがちになって、その余分な水が体に酷い事をすると東洋では考えられています。この余分な水を痰飲と言います。
 元は津液という体に必要な水でしたが、それが停滞したり他の悪い物の影響を受けたりして痰飲となると考えられています。痰飲は粘り気が多いものを痰、粘り気の少ない物を飲といい、合わせて痰飲といいます。
 この痰飲、怪病多痰などという言葉が出来るぐらいに比較的やっかいな病気に関わって来ます。さらに、しつこい事で知られます。早急に処分したい「嫌な物」の筆頭かもしれませんね。日本は湿度の多い国ですから、この痰飲も産まれやすいのです。
 最近、よく聞かれる症状に「仕事が立て込んで来たり、疲れてイライラすると喉の奥に何か玉のような固まりを感じて気持ち悪い」という物が有ります。もしかすると、ちょっと心当たりの有る方も有るかもしれませんね? これは痰飲の症状の一つで梅核気といいます。痰飲と気滞の複合したものと考えられています。西洋医学では一般にヒステリー球と呼んでいます。春の長雨や、梅雨の季節に多く出て来る症状です。