こんにちは共月堂です。
 七月の予定をお知らせいたします。七月の四日と八日を臨時休診とさせていただきます。皆様にはご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

 今日のような好天ですと気にならないかもしれませんが、湿度の話の続きを。
 
 覚えなくては行けない事というのを効率よく覚える際に、音やリズムを活用することは昔から頻繁に使われていたようで、それは例えば詩という形で残されたり、本当に歌という形で残されたりして現在まで伝わっています。鍼灸にも同じような物が有り、それは中国の詩の形をとって漢字四文字で表されたり、歌となると歌賦というものが有ります。歌賦に関しては私も色々と研究している次第です。
 さて、そんな四文字熟語の形で残された湿度と人体の関連を表す物に「湿困脾土」という物が有ります。
 寒湿困脾、脾困湿盛といった言葉もあり、内容としては「湿度は脾を傷つけ困らせる」という意訳が出来ます。ここで少々混乱する要因になるのが「脾」という物。
 東洋医学での臓腑は、観念であると考えてもらえると解りやすいと思います。脾であれば「消化などに関連する一連を行っているものを脾と考えよう」という発想から出発しているので、解剖学でいう脾臓とは全く意味が違うのです。実際、解剖学での脾臓は巨大なリンパ節であり、特に消化には関わりません。これはもう、どちらが間違っているとか、そういう話じゃないという事です。この混乱の大元は外国語で表記されていた内臓を日本語に訳す時、日本の東洋医学でつかわれていて馴染みのある臓腑の名前をあててしまったという過去に有ります。
 今回書いているのは東洋医学の範疇の話ですので、出てくる臓腑の名称は東洋的な内容だと了承ください。
 そんな脾ですが、その仕事は主運化、主昇清、主統血、主肌肉四肢と言った物が有ります。簡単に内容を書きますと、順に、食べた物から体に必要な水分や血液などを作り全身に送る、それらを主に上に持ち上げる、血液の状態を監督する、全身の脂肪などを監督する、と言った感じですか。詳細はまたいずれ。
 では、次の機会にでも具体的な症状を書いてみましょうか。